2018.05.11

ゆったりと浜辺で焚火。1日1組限定の贅沢プライベートカフェ

「アウトドア」といえば道具を揃えるために費用がかかり、火をおこすのには技術がいる。そういった前準備なしに行ける贅沢なキャンプ「グランピング」も大変魅力的ではあるが、自分たちでおこした素朴な焚火を囲む楽しさというのはやはり別格だ。

三浦半島の静かな浜辺で日没のひとときを焚火と共に過ごすことができる、「焚火カフェ」というものがあることをご存じだろうか?
カフェといっても、屋根やテラスがあるわけではない。こちらはなんと、砂浜の上で直に焚火にあたりながら沈む夕日を楽しめるカフェなのだ。しかも1日1組限定の完全予約制なので、気の合う仲間とプライベートな空間を心ゆくまで楽しめる。

この焚火カフェを開催するのは、アウトドアライフアドバイザーの寒川一さん。様々な人に焚火の魅力を感じてもらい、アウトドア用品の使い方も体験してもらえるようにとの思いからこのカフェを始めたそうだ。

あらかじめ予約が取れたら、当日の日没前に三浦半島の浜辺に集合する。寒川さんがその場で道具を設営してくれるので、アウトドアの知識がない初心者でも気軽に参加できるのはありがたい。しかも、食べたいメニューをリクエストすれば寒川さんが段取りを決めてくれるので安心だ。

うっすらと肌寒い中、火を焚きつけるところからカフェが始まる。焚火カフェは訪れた客が自ら手を動かす参加型ワークショップのカフェなので、まずは自分たちで火おこしをする。
メタルマッチで火花を散らしススキに火を点けていくのだが、マッチやライターではなく火花を散らして火を点けるのがカッコイイ。最初はなかなか火が点かなかったが、寒川さんのアドバイスとフォローで無事に着火し一安心。

苦労して点けた火が大きく育つ様子を見ていると、都会では出会えない感覚を味わえる。焚火カフェの魅力は、自らがおこした火で暖をとり、その場で沸かしたコーヒーを飲みながらゆっくりできるところだ。

寒さの中、焚火で暖を取りながら、厳選された道具を用いて次々に料理や飲み物を作っていく。その課程を目や音で味わう時間はとても贅沢だ。

ダッチオーブンでじっくり焼いた焼き林檎は、生の林檎からは想像がつかないほど柔らかい。熱によってギュッと凝縮された甘みが格別な逸品だ。

一番人気の焚火焙煎コーヒーは、生豆をその場で焙煎して煎れるフレッシュさが魅力。一段とおしゃれな雰囲気を醸し出す、ヒノキの香り漂う木のカップでいただく。

ポンポンと弾ける音が楽しいポップコーンは、地元三浦産のトウモロコシを干したものを使用する。ホットサンドメーカーに入れて焚火で炙れば、子供の頃の記憶を思い起こさせる。

また、とろけるチーズとチェダーチーズを挟んだホットサンドも絶品。焼き上がりにはくっきりと焼印がつけられ、写真映えする見た目にも気分が上がる。

この時期の海辺は大変冷えこむが、こちらの焚火カフェでは暖かくてかわいらしいポンチョのレンタルができる。防寒になるうえ服に付く匂いも防止できるため、大変おすすめだ。
ポンチョにくるまりながら夕日の沈む空を眺めていると、段々と富士山のシルエットがはっきりしてくる。寒川さん曰く、富士山が顔を出すのは珍しくないとのこと。

GRANDMEDIA編集部

おいしい料理や飲み物に舌鼓を打っているうちに、気がつけば日が暮れて辺りは真っ暗。景色が移りゆく中、流れる波の音に時間の経過も忘れてしまう。ゆったりと進んでいく時間の速さは、都会のそれとは全く違うようだ。
明かりが焚火だけになると、火の暖かさと優しい光に心も体も温まる。自然に囲まれ思索を巡らす時間、暖かい火と波間の臨場感……このなんとも言えないムードは、画で見るだけでは伝わらないだろう。

皆さんも都会の喧騒から離れ、2時間だけの贅沢なひとときを焚火と共に過ごしてみてはいかがだろうか。ゆっくりと流れる時間が、都会の騒がしさを忘れさせてくれるだろう。

焚火カフェ

【サービス内容】
1日1組限定完全予約制のワークショップ形式のカフェ。
【基本料金】
2〜3人でご利用の場合 … 3,500円/人
4人以上でご利用の場合 … 2,500円/人
※カフェメニューはオプションとなります

【実施場所】
三浦半島の秋谷海岸その他

【お問い合わせ】
E-mail: san@ozzio.jp
Facebook: @3knottakibicafe

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2018.05.11

[リレー形式で綴る]プロフェッショナルが通う店 Vol.5