2017.07.12

［リレー形式で綴る］プロフェッショナルが通う店 Vol.1
30CLUB

和洋中をはじめとした飲食のプロフェッショナルたちが、自分のお店以外にお勧めするのはどんな店なのか。プロからプロへ、リレー取材形式でご紹介致します！

渋谷の東急文化村の前に店を構えるこのBAR 30CLUB。

今や渋谷のバーの顔ともいえる老舗店であるが、オープンした1984年当時は、まだ東急文化村もなかったため一帯が真っ暗で、ここまで足を延ばす人も少なかった。そのため逆に、夜の隠れ家として、作家や編集者他、テレビ・雑誌等のマスコミ関係者がクチコミで集まり、溜まり場となっていた時期もある。

あれから30数年、周りも明るく賑やかになり、店内も大人の社交場として華やいだ雰囲気を醸し出しているが、ただ変わらないのは、重厚な一枚板で作られたバーカウンターに象徴される本物志向だ。これはマスターをはじめ、代々のバーテンダーが受け継ぎ伝え続けてきた“30CLUBマインド”といえるものだろう。

例えばフルーツ系のカクテルは、基本的にジュースは使わず生の果物を搾ったフレッシュ果汁で提供される。

生のイチゴとシャンパンを使ったカクテル『レオナルド』（2000円）。

見た目にも鮮やかで、シャンパンを使うことで高級感も味わえるカクテル。飲みやすいため特に女性に人気のカクテルだ。初夏にかけては、シャンパンと桃を使った『ベリーニ』もオススメ。

ラムベースで生のミントを使うのが基本の『モヒート』（1500円）。

それ以外に何を使うかは店によっていろいろレシピが違うため、カクテル好きにとってはそれも楽しみの一つ。この店では甘みをつけるために生グレープフルーツを使っている。

もちろんスコッチ、バーボンをはじめとしたウイスキー系、ジン・ウォッカ・ラム・テキーラといった4大スピリッツをはじめとしたスピリッツ系から、ブランデー、ワイン等々、あらゆるアルコールが揃い、しかもその品揃えは通も唸る珍しい逸品ばかり。その銘柄のストーリーを聞きながらグラスを傾けるだけで楽しい。

『タリスカーダークストーム』（1500円）写真左

スモーキーでスパイシーなスコッチとして有名な『タリスカー』を、さらに荒々しく強くした逸品がこの『タリスカーダークストーム』（1500円）。「『タリスカー』は知っていてもこれはなかなかお目にかかれない」とスコッチ通のお客様にも好評の一杯。

実はこの店ではお客様の要望があれば葉巻も楽しませてくれる。お値段は1000円?3500円ほど。良く出るのはハバナの有名シガーであるコイーバ、ホヨー・ド・モントレーといったところだが、初めてならバーテンダーに相談しながら決めるといいだろう。葉巻のウンチクから吸い方、香りの楽しみ方など、いろいろと教えてくれる。ちなみに初心者にオススメなのは、モンテクリストのNo.5（1400円）とのこと。