2018.05.11
[リレー形式で綴る]プロフェッショナルが通う店 Vol.4 北出食堂
和洋中をはじめとした飲食のプロフェッショナルたちが、自分のお店以外にお勧めするのはどんな店なのか。プロからプロへ、リレー取材形式でご紹介致します!
「NYのブルックリンに住んでいた頃に、数あるメキシカンの中でも、めちゃくちゃ美味しいタコス屋さんが近所にあったんです」
とオーナーの北出さん。その店との出会いが将来タコス屋を始めようと思ったきっかけだった。タコスといえばカリカリのハードシェルに挽肉を挟んだアメリカンタコスのイメージが強かったが、そこでメキシコ風のソフトタコスを口にし、
「なんておいしいんだ」と思ったのだという。「ホント大好きで、ほとんど毎日食べてましたね(笑)」
ブルックリンにいた頃から、日本に戻ったら飲食店をやりたいと思っていたため、修行をしようと門を叩いたのが、NYで数々の店舗を経営するあるオーナー。今では北出さんのビジネスパートナーにもなってもらっている“永遠のボス”だ。
「ボスのお店でずっと修行させていただいていて、いつか何かを一緒にできたらいいなと思うようになったんです」
たまたま“ボス”が日本に来ている時に、物件を二人で見る機会に当たり「やるか!」となった。ビジネスパートナーをお願いしたと言うよりも、NY時代から考えていたことだったので“自然の流れ”だったという。それが今の店舗である物件を介して実を結んだということだろう。やるならもちろん“タコス”。これもブルックリンにいたころから思い描いていたことだった。もちろん“ボス”も賛成してくれた。
『北出食堂』があるこのエリアは、ニューヨークにいる頃から、画家や音楽家などのアーティストが多く住んでいると聞いていた。そのため、ブルックリンの匂いを感じられるのではないかと思い、良い物件との出会いもあって即決した。
「うちの店も含めてこれから10年後が楽しみな面白い街なんじゃないかと思います」
と北出さん。
メキシカンに「○○食堂」というのは変わった店名だが…
「“食堂”っていうのは庶民的で温かい感じがするし、日本的な感じなんで、どこかに入れようと思っていたんです」
確かに、庶民の味“タコス”にも“食堂”はぴったりかもしれない。ボスの影響もあって、食を無駄にしないという理念を大切にしているという。そう考えるとさまざまなレシピが浮かんできた。調味料から自分たちで調合したり、手作りのソースを作ったり。“食を無駄にしない”という考えから、“すべて一から自分たちで作る”というのが、この店の根底に流れるフィロソフィーとなったのである。
コンクリート打ちっ放しの店内が、NYブルックリンを彷彿させてくれる。無機質でいて何故か温かさを感じさせてくれる空間だ。
15種類の具材からチョイスできる『Wタコスプレート』。写真は、チキンとシメサバの逸品。
『ワカモレ&トルティーヤチップス』。アボガドを使ったメキシカンでは定番のソース“ワカモレ”は自家製。毎日生地から焼いているトルティーヤをチップス状にしたものに合わせるとビールが止まらないおいしさ。
つまみの中で一番人気なのが『赤キャベツとチーズのラペ』。コールスローのような食感に振りかけたチーズが見事にマッチする。
北出食堂
住所:東京都千代田区岩本町 1-13-5 8BLD 1F
TEL:03-6240-9920
営業時間:[月~金] 11:30~15:00(L.O.14:30)/17:30~23:00(L.O.22:00)
[土] 11:30~23:00(L.O.22:00)
[日・祝] 11:30~22:00(L.O.21:00)
定休日:第1、第3 月曜日(祝日はOPEN、火曜日振替休日となります。)
今回『北出食堂』の北出さんがお勧めするお店はココ!
『PUBLIC SPACE THE A.I.R BUILDING』
店舗としては1階のカフェということになるが、そのオーナーがビル一棟を借り上げて、アーティストが集う場所として、スタジオからアパートメントまで用意したアーティスティックなビルとなっているという。こちらもNY帰りのオーナーだが、はてさてどんな素敵な空間を見せてくれるのか。
次回もお楽しみ下さい。