2017.11.02
[リレー形式で綴る]プロフェッショナルが通う店 Vol.3 赤坂ととや魚新
[リレー形式で綴る]
プロフェッショナルが通う店 Vol.2Bar Old Sergeant
和洋中をはじめとした飲食のプロフェッショナルたちが、自分のお店以外にお勧めするのはどんな店なのか。プロからプロへ、リレー取材形式でご紹介致します!
バー・オールドサージェントの杉浦さんからご紹介頂いたのが、今回の日本料理屋さん『赤坂ととや魚新』。そもそもは魚屋さんだったため、魚の目利きは折り紙付きだ。その魚屋さんというのが、まだ明治の頃というから驚きである。明治23年、赤坂の鮮魚店として創業したのが、今の魚新の礎だ。愛され続ける鮮魚店として長い歴史を経て昭和に入り、10年に赤坂の花柳界料亭への仕出しを始めたのが、今の料理屋としてのはじまりといってもいいかもしれない。
創業以来の“鮮魚”へのこだわりが、魚新の信条。
現在では、ここ『赤坂ととや魚新』の他、日本橋と西麻布、恵比寿に『天ぷら魚新』を構える。もちろん、いずれも“鮮魚”にこだわった、日本人の心に響く料理を提供してくれるお店である。
さて料理を見てみよう。
まずは前菜。期待の料理が出来てくるまで、これらをつまみながら一献といきたい。「水菜とシメジ、菊の花のおひたし」「石川芋(衣かつぎ)」「ムカゴの雲丹しんじょう」「だだちゃ豆」「煎り銀杏」「ほしこ(バチコ、クチコともいうナマコの卵巣)」の6品。ちなみに料金は「ほしこ」をのぞいて1500円(ほしこはなかなか手に入らない貴重品なので時価となる)。
そうこうしているうちに登場するのが、お刺身盛り合わせ(3000円)。“鮮魚”で売る魚新でお刺身を頼まない手はない。季節によって違うのはもちろん、日によっても違うことがあるため、写真のメニューがそのままあるわけではないが、いずれにせよ、その日のイチオシのお魚をさばいてくれる。取材時のメニューは、平目の薄造り、鮪、白イカ、カマスの焼き霜造り。平目は一味のもみじおろしでどうぞ。
刺身も好きだが、焼きも食べたい。もちろんあります。今回の焼き物は、北陸名物『のどぐろの塩焼き』(3000円)である。最近では刺身で食べるのどぐろを有り難がる傾向にあるが、本当は“焼き”の方が、身も締まり旨みも出ておいしいのだとか。
お魚料理の話ばかりになってしまったが、もちろんこちらでは、そんなおいしいお魚に合う日本酒も多数用意してある。口の肥えたお客さんも多いため、常に厳選した日本酒を20種類以上用意。冷やはもちろん、季節によってはお燗にも合うお酒も多く、お魚を食すお供には最適である。
明治から続く“鮮魚屋”魚新が進化した日本料理屋
『赤坂ととや魚新』
日本人の心に響く魚料理が食べたくなったら、ぜひ足を向けてみて欲しい。敷居が高そうなお店に感じるかもしれないが、親切で温かい板長さんをはじめとした優しいスタッフが笑顔でお出迎えしてくれるからご安心を。今宵はぜひ『赤坂ととや魚新』の鮮魚で一献を。
※今回紹介したお刺身の盛り合わせと焼き物は、12000円のコースにも含まれている。
赤坂ととや魚新
東京都港区赤坂5-1-34
TEL 03-3585-4701
営業時間 昼11:30~14:00(L.O.)夜17:30~21:30(L.O.)
※土曜日は昼11:30~14:00(L.O.)夜17:30~20:30(L.O.)
日曜・祝日定休
今回『日本料理ととや魚新』のオーナーがお勧めするお店はココ!
『北出食堂』
オーナーの古くからの友人でもあり、またよく通うお店でもあるようだ。名前とは相反して、なんとメニューはタコス中心。
「いわばタコスカフェといった感じのお店です。店長がブルックリンに住んでいた人で、その頃知り合った飲食店の系統を継いで日本に出したお店のようです」
とのこと。
次回もお楽しみに!